今朝の朝刊にNISA(少額投資非課税制度)についての記事がでていました。
購入した投資信託や株式の売却益や配当が非課税となるNISAですが、この制度が始まったのが2014年。当初は年間100万円非課税期間5年(ロールオーバーにより+5年間の最長10年)でのスタートでした。
その後2016年の改正で年間拠出金が120万円となり、同時に未成年を対象としたジュニアNISAも始まりました。
誰もが望んだ恒久化
今朝の記事によるとこの年間120万円・非課税期間5年という現行NISAとは別に年間60万円・非課税期間20年という新たなNISAを創設しようとしているようです。
正直がっかりでした。NISAが始まった当初から恒久化というのは誰もが口にしていた要望でした。金融庁や財務省がNISA拡充について検討しているとの発表があった先月、誰もが今度こそ恒久化キターと思ったものです。
そもそも何故ここまで恒久化にこだわるかというと、非課税期間に損失があった場合に損益通算できないという点にあります。
例えば
100万円を投資したあなたの資産は5年目に運用がうまくいかず80万円に減ってしまいました。
この80万円ですが、さらに次の1年間で運良く30万円の利益がでて110万円になった時に税金はどうなるでしょうか?2つのパターンで考えてみます。
1.NISA口座を利用せず特定口座で運用した場合
ずっと1つの特定口座で持ち続けた場合は110万円-100万円=10万円に課税となります。
2.最初の5年(NISA口座)、次の1年(特定口座)の場合
問題はこのパターン。5年目にNISA口座から特定口座に移しているので110万円-80万円=30万円に課税となってしまいます。
非課税制度という謳い文句のNISAですが、5年という短期間ではこのようなことが起こりえるということです。
もちろんそれが20年でも同じこと。だからこそ恒久化が望まれていたのですが、今朝の記事を見た時は、お、おう。という感想しかでませんでした。
そもそも120万円(5年+5年)が60万(20年)って結局は金額を1/2、年数を2倍にしただけで中身はほとんど変化がないように思えます。
今も昔もお役所仕事
そもそもこういったことは今に始まったことでは無い?ぱっと思いついただけで過去にも次のようなことがありました。
- 児童手当→子ども手当てへの名称変更
- 高校授業料→無償化→授業料復活→就学支援金及び奨学のための給付金創設
- 扶養手当廃止→子ども手当拡充(現在進行形)
名称や制度をコロコロ変えて無駄な仕事を増やすのはお役所の得意技のように思えます。
NISAに頼るのは危険
僕自身はNISAが始まった2014年から投資を始めています。非課税制度という言葉に惹かれて始めましたが、最近それにばかり頼っていても本当に資産を増やせるのか?疑問に思っています。
不動産投資を検討したこともありました。不動産を購入すると後は自動で不労所得が入ってくるのか!?と意気込んで勉強しましたが、管理会社との連絡調整が不可欠と知って、めんどくさがりの自分にはまず無理だと諦めました。
NISAと似た制度である確定拠出年金は60歳まで引き出せないというデメリットがあります。老後資金目的ならいいのですが、それ以外の積立にはあまり向かない気がします。
短期で儲けたいならFXという選択もありますが、過去に失敗しているので再度挑戦しようとは思いません。
IPO新規公開株の抽選はカスリもしません。
通帳を見てニヤニヤしているだけではお金は増えてくれません。地道にコツコツ働くしかないのかな。