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【読書】古市憲寿くんの「保育園義務教育化」を読んでいたらとあるSF作品の子育てを思い出した

社会学者である古市憲寿(ふるいちのりとし)くん(年下なのであえてそう呼ばせてもらいます)の著書保育園義務教育化を発売から約2ヶ月近く経ってやっと読むことが出来ました。

実は古市くんのことを知ったのはつい最近、マクロエコノミストの崔真淑さん目当てで見たNHKのニッポンのジレンマ「資本主義のジレンマ大研究」という番組でした。

彼に対して抱いた第一印象はいけ好かない奴。自信たっぷりなしゃべり方や物言いが気に障ったのを覚えています。年下だと知ってなおさらその思いが強まりました。
でもその感情は半分以上が嫉妬であり、裏を返せば自分より年下の20代の若者が自分の意見を自分自身の言葉で堂々と発言していて羨ましいという羨望と尊敬の念があり、それ以来は何かと彼の番組や動向には注目していました。

今抱く印象はいい意味でいけ好かない奴であり、実際に会ったら大いに仲良くなれるか犬猿の仲になるかの2択しかないと思っています。今回の保育園義務教育化の表紙なんて好感度アップを狙っているとしか思えない爽やかな表紙で僕の中の「いけ好かない」を象徴しているものだと思います(笑)

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  • 第1章 「お母さん」を大事にしない国で赤ちゃんが増えるわけない
  • 第2章 人生の成功は6歳までにかかっている
  • 第3章 「母性本能」なんて言葉、そもそも学術用語でもなければ根拠もない
  • 第4章 少子化が日本を滅ばす
  • 第5章 草食男子が日本を滅ぼすというデマ
  • 第6章 女性が今、社会から待望されている
  • 第7章 0歳からの義務教育

非認知能力を磨く

度々でてくる非認知能力という言葉。本書では「人間力」や「生きる力」のようなものであり、社会性や意欲、忍耐力等の生きていくために必要な「能力」だと説明されています。
この能力が人生の成功につながり、これを伸ばす教育は早ければ早いほうがいい。また非認知能力は他人から学ぶ事が多いから乳幼児教育が大切であり保育園義務教育化が重要だ。ということが主題であると感じました。

それに起因して現代の母親たちの置かれた状況や草食男子、セックス離れという問題を述べています。

アーヴの育児

突然ですが星界マスターガイドブック (ハヤカワ文庫JA)の143ページに次のような記述があります。

親は、子供に家風を伝えるために、ある程度の期間、自らの手で教育する。もちろん、補助用の教育機器や機械教師を使ったりもするが、その内容を吟味し、設定するのは親の仕事だ。

本編中には「幼児期の子供の教育を他人に任せるなんて考えられない」といった旨のセリフもあったように思いますがよく覚えていません。昔この星界の紋章シリーズを読んで、「そうだよ!子供の教育は学校なんかに任せられねーよ」と思いましたが、ここに登場するアーヴという人種の育児は保育園義務教育化とは反するものですが「人間力」や「生きる力」といった非認知能力を磨くための教育という点では本書と同じことを伝えたかったのではないだろうかと改めて感じました。

参考書籍と統計

本書を読んで思ったのは多くの参考書籍や、統計を基にした数値が具体的に示されていたという点です。ペリー幼稚園プログラムやマシュマロテストはNHKの経済情報番組オイコノミアでも触れられていたような気がします。
ピケティの21世紀の資本も過去数百年のデータを最新の統計手法で分析したことに意義があると聞いたことがあります。本書も根拠となる数字がしっかりと示されていることでより説得力が増すものでした。

さいごに

時折登場する「おじさん」のことをさりげなく批判しているのは同感できて楽しかったです。
僕も古市くんと同じように結婚してなければ子どももいませんが、子どもを安心して育てられる国へという思いは同じです。今後もし育児に関わる時がきたら、今この国がそして子どもを育てる親が置かれている現状を知らずに関わるのと、知った上で関わるのとでは考え方や行動がだいぶ変わってくると思います。
そういう点で子どものいない今、この保育園義務教育化を読めて良かったと思いました。

さいごのさいごに

アンケートはがきに古市くんの直筆メッセージが書いてました。お世辞にも綺麗とはいえない字に更に好感が持てました!猫の絵も味があって好きです。