いわゆる老後のためというやつでNISAで投資を始めたはいいけれど、特に目的金額は無く淡々と貯蓄を続けているだけです。
そんな時に毎週読んでいるNewsPicks連載「30年後に備える資産運用」の著者、野尻哲史さんが貯蓄ゼロから始める安心投資で安定生活 (オレンジ世代新書)という今の僕にぴったりの本を出版されたので資産運用の指針作りの参考になればと思い読んでみました。
本書の章立ては前半が年代別、後半が投資について具体的に書かれています。
- 20・30代の恐れと不満
- 40・50代の嘆きと苦悩
- 60・70代の悩みと憂鬱
- 働き方と老後
- 積立と引き出し
- 相続と投資
- 思い込みと分配金
- セグメントと投資
- NISAとDC
登場するデータはほとんどがフィデリティ退職・投資教育研究所のものですが性別・年齢別・年収別・保有資産別・地域別と大変細かく分類されていて必ず自分に当てはまる項目が見つかります。また1テーマ4ページにまとめられているため忙しい時間帯でもテーマごとに読み進めていくことが出来ます。
老後の資金はいくら必要?
最も知りたかったこの金額について一番最初に触れられていました。
59歳時の年収(円) × 年間生活費(%) × 退職後の余生(年) = 必要なお金(円)
モデルケースでは
618万円 × 68% × 35年 = 1億4708万円
というとんでもない金額が試算されていました。
試算してみよう
59歳時の年収(万円):
年間生活費(%):
退職後の余生(年):
必要なお金 ??? 円
これだけの金額を普通のサラリーマンが用意することは困難なので年金や資産運用で生活費を用意していこうというのが本書のテーマ。
具体的には割愛しますが、厚生労働省が発表している平均世帯年金は月額約24万円、これを30年受給すると9000万円弱。
会社員の退職金の平均額は約1700万円。
これらを差し引いて準備資金は約4000万円程となるようです。
資産準備は逆算で
95歳まで生きると仮定して資産運用は3つのステージで考える
- 第1ステージ(30-60歳):働きながら運用する時代
- 第2ステージ(60-75歳):使いながら運用する時代
- 第3ステージ(75-95歳):使う時代
75歳から20年間毎月○○万円引き出すとしたら75歳時点での必要額は○○万円。
60歳から75歳までは年率○%で引き出す。そのためには60歳で○○万円必要。
60歳までに○○万円貯めるためには若い時から段階的にステップアップ投資をしていく。
このように逆算して生涯設計をしていくと準備資金のイメージがしやすいということが分かりました。
何故定額引き出しでは定率引き出しが重要なのか?今まで考えもしなかったことも書かれていて大変参考になりました。
NISAやDCを活用する
最後の第9章ではかなりのページ数を割いてNISA(少額投資非課税制度)やDC(確定拠出年金)について書かれています。来年にはNISAは拠出上限額が100万円から120万円に増額しDCは主婦や公務員、誰でも加入できるようになります。これらの制度について詳しく書かれていることで本書が若い世代向けに投資の必要性を強く訴えているなと感じました。
僕自身もNISAが始まった昨年の2014年から投資を始めて、今後はDC加入も検討しています。
何よりこの本を読んだことで、冒頭でも述べた漠然としかなかった老後の資産形成のイメージが少しは形になりました。
目的金額をはっきりさせて投資をしていくことで今後よりいっそう投資が楽しくなりそうです。